ー賃貸・持ち家・定期借地権まで、後悔しないための考え方 ー
はじめに「買う・買わない」で迷うのは、正常です
家を買うべきか、もう少し待つべきか。
この問いに、誰にでも当てはまる正解はありません。
最近は、
- 金利が上がると言われている
- 不動産価格は高止まりしている
- 周囲が次々と住宅を購入している
こうした情報が入り混じり、
「判断を急がなければいけない気がする」一方で、
どこか腑に落ちないまま悩んでいる人が増えています。
この記事では、
今すぐ買うかどうかの結論ではなく、
自分で意思決定するために整理すべき視点をまとめています。
視点①「借りられる額」と「無理なく払える額」は違う
住宅購入を考え始めると、多くの人が
「住宅ローンはいくら借りられるか」 を調べます。
しかし、金融機関が示す
借入可能額=安心して返せる額 ではありません。
なぜ差が生まれるのか
- 銀行の審査は「返済余力」ではなく貸倒リスクを重視
- 教育費・老後資金・将来の収入変化は反映されにくい
- 金利上昇リスクは考慮されていない場合が多い
参考:金融庁|住宅ローン利用者の実態
https://www.fsa.go.jp/ordinary/house_loan/
👉 まずは「借りられるか」ではなく
「生活を維持しながら返せるか」を数字で確認することが重要です。
視点②賃貸は本当に「もったいない」のか?
「家賃は払い捨てだから、買った方が得」
という意見を耳にすることがあります。
しかし、これは一面的な見方です。
賃貸のPros / Cons
Pros(賃貸が向いている人)
- 転勤・転職・住み替えの可能性がある
- 初期費用・固定費を抑えたい
- ライフプランがまだ流動的
Cons(注意点)
- 家賃は将来も継続的に発生
- 老後の住居費が読みづらい
👉賃貸は「自由を買っている選択」とも言えます。
視点③持ち家のメリットは「得か損か」ではない
持ち家のPros / Cons
Pros(持ち家が向いている人)
- 同じ場所に10年以上住む可能性が高い
- 住居費を長期的に安定させたい
- 老後の住居に不安を残したくない
Cons(注意点)
- 住み替えの自由度が下がる
- 修繕費・固定資産税の負担
- 不動産価格変動リスク
参考:国土交通省|不動産価格指数
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html
👉価格上昇=必ず得、ではありません。「自分が住み続ける前提かどうか」が判断の軸になります。
視点④定期借地権付き物件という第三の選択肢
近年、都内を中心に定期借地権付きマンションが増えています。
定期借地権とは
- 土地は借りる、建物は買う
- 所有権物件より2〜3割価格が抑えられる傾向
- 一定期間後は原則返還
定期借地権のPros / Cons
Pros(向いている人)
- 立地を最優先したい
- 相続を前提にしていない
- 「住み切る」前提で考えている
Cons(注意点)
- 期限満了後は返還
- 資産価値は時間とともに低下
- 金融機関により融資条件が異なる
参考:国土交通省|定期借地権制度
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000036.html
視点⑤すでに家を持っている人も確認しておきたい数字
「売る予定がないから関係ない」
そう思われがちですが、
現在の不動産価値を知ることは選択肢を増やします。
確認しておく意味
- 住み替え・借り換え判断
- 家計全体の資産把握
- 将来の選択肢を整理できる
参考:国土交通省|不動産取引価格情報
https://www.land.mlit.go.jp/webland/
(Tips)購入する場合に使える主な公的制度・控除
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
- 年末ローン残高の一定割合を所得税・住民税から控除
- 新築・中古で条件が異なる
- 省エネ基準適合住宅で優遇あり
参考:国土交通省|住宅ローン減税
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr5_000015.html
登録免許税・不動産取得税の軽減
- 新築・一定条件の中古住宅で軽減措置あり
参考:国税庁|不動産取得税の軽減
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/5708.htm
まとめ|正解は「買う・買わない」ではありません
家を買うか、買わないか。
その答えは、人によって異なります。
大切なのは、
- どんな暮らしを望んでいるか
- どこまで固定費を背負えるか
- 将来の選択肢をどれだけ残したいか
感覚だけで決める前に、一度、数字で整理してみる。
それだけでも、判断の軸は大きく変わります。
次の行動のヒント(決断する前に)
- 住宅ローン返済をシミュレーションしてみる
- 今の住まいの価値を参考程度に確認してみる
決めるのは、そのあとで構いません。


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